臨床検査部門  検査科 科長:豊山 浩祥

部門の特色

検査科では、常に患者さんの立場に立ち、迅速かつ正確な検査結果をお返しできるよう努めております。近年の検査技術の発展は著しいものがありますが、私た ちはいつも探求することを忘れず、新しい情報を活用して専門性を維持し、日々研鑽しています。また患者さんとのコミュニケーション、医療従事者間の連携、 職場内の協調も重視しています。

検査科には、第1検査(尿検査・血液検査などの検体検査部門と輸血関連部門)、第2検査(病理検査部門、細菌検査部門)、第3検査(生理機能検査部門)があります。各部門はそれぞれ専門教育を受けた臨床検査技師が業務を行っています。

医療の質の向上、安心につながるよう、患者さん、臨床の先生方と一緒に歩んでいきたいと思っております。

検体検査部門

外来棟2階の第1検査室で血液検査・尿検査・便検査の受付を行っています。
採血室では音楽がかかりゆったりとした雰囲気の中、一日平均400~450人の採血を専任の看護師が主に実施しています。 検査結果は採血後おおむね50分以内に報告できるよう努めています。

緊急検査(尿、生化学・免疫血清、血液、輸血検査)は24時間体制で検査を行っています。

検体検査部門では、毎日の精度管理を厳重に行い、日本医師会や日本臨床衛生検査技師会などの各種精度管理調査に参加して、正確な検査データを提供できるように努めています。

1.一般検査

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尿、便、髄液、穿刺液などの検査を行っています。
尿検査は尿の性状を確認する定性と、有形成分(細胞、結晶)を確認する沈渣を主に行います。
これらは痛みを伴うことなく比較的簡単に多くの情報を得られる検査です。
便検査では潜血反応をはじめ、性状や虫卵検査を行っています。

2.血液検査

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血液検査では主に、①貧血や炎症などをみる血球計数検査、②出血傾向や血栓傾向をみる凝固線溶検査、③末梢血細胞や骨髄細胞を顕微鏡で観察する形態学的検査の三つを行っています。
白血病やリンパ腫といった血液疾患が疑われる場合に実施する骨髄検査は年間200件以上、特殊な検査として骨髄移植関連の検査などにも携わっています。(最近では末梢血幹細胞移植や臍帯血移植関連検査も増加してきています)
また血液内科カンファレンスに参加して、早期診断、早期治療のために 臨床医との積極的な情報交換に努めています。また各種学会、研修会等に参加して、最新の情報を業務に活かせるよう心掛けています。

3.生化学検査

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生化学検査では血清中の電解質・酵素・脂質・糖・蛋白質・非蛋白性窒素など実に多数の項目を扱っており、いわゆる患者さんがお考えの血液検査を行っていま す。これらを検査することにより病気の有無や進行の程度などを調べることができ、 病気の診断や病状を推定することが出来ます。

以下に主な臓器の機能悪化、また病気で変化する検査項目を記します。

  • 肝機能障害:AST・ALT・γGTPの増加、アルブミンの減少など
  • 腎機能障害:クレアチニン・BUN・UA・IPの増加Caの減少
  • 心機能障害:CK・CK-MB・トロポニンIの増加など
  • 糖尿病:血糖・HbA1c・GAの増加など

私たちは患者さんに正確な検査結果を迅速に返すために日々努力しており、異常値などがみられた場合には診察場にすぐに連絡するなど先生方と連携を取っています。

4.免疫血清検査

免疫血清検査では、肝臓病の主な原因となっている肝炎ウィルス検査、体の様々な働きを調整しているホルモンの一種である甲状腺ホルモン検査、がんのスクリーニングや治療効果の判定として行われる腫瘍マーカー検査、心筋梗塞などの心疾患関連検査を行っています。

以下にそれぞれの検査に該当する検査項目を記します。

  • 肝炎ウィルス検査:B型肝炎ウィルス、C型肝炎ウィルスなど
  • 甲状腺ホルモン:FT3、FT4、TSHなど
  • 腫瘍マーカー検査:CEA・CA19-9・AFP・PSAなど
  • 心疾患関連検査:BNP・トロポニンI・ミオグロビンなど
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輸血部では院内で使用する輸血用血液(同種血、自己血)の管理、検査、供給を行っています。また、輸血部を中心に安全かつ適切な輸血療法の実践を目指し、積極的に取り組んでいます。緊急検査室としての設備も兼ね備えており当直も含め24時間体制で検査を実施しています。

輸血検査は絶対にミスが許されないものです。
人為的ミスを防止するために、検査依頼から結果報告までを輸血検査システムにより行っています。

1.血液製剤関連業務

  • 輸血用血液製剤(赤血球濃厚液・新鮮凍結血漿・濃厚血小板)の血液センターへの発注・納品
  • 輸血用血液製剤の管理・保管・供給

2.輸血関連検査

  • 血液型検査(ABO式、Rh(D)式)
  • 不規則抗体検査
  • 交差適合試験

3.自己血関連業務

  • 自己血採血スケジュールの調整
  • 自己血の保管・管理・供給

4.その他の業務

  • 輸血後感染症検査のための検体保管
  • 輸血副作用調査
  • 輸血療法委員会への参加
  • 院内への輸血関連情報の提供

病理検査部

病理検査室では、細胞診、組織診を通して、患者さんの治療に大きな役割を果たしています。
当部門では、細胞診検査、病理組織検査、病理解剖、術中迅速検査等を行っています。
日々、各診療科および部門間でカンファレンスを行い、症例の横断的理解、検査、診断のレベルアップに努めています。

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1.細胞診検査

喀痰や尿中などに出現するがん細胞などを顕微鏡で調べて診断します。
子宮がんでは子宮頚部を擦過したり、乳がん、甲状腺がんでは細い針で穿刺したりして細胞を採取します。

2.病理組織検査

生検という胃や大腸、肺の内視鏡検査時や皮膚のできものなどの病変部を一部つまみとって顕微鏡標本を作り診断する方法と、手術で摘出された臓器、組織の病変の程度、広がりを詳しく調べる診断があります。

3.手術中の迅速検査

手術前に生検診断できなかった体の深い部分にある病変を手術中に20分程度で病理診断することです。また、摘出臓器の断端やリンパ節などのがん細胞の有無を調べ、切除範囲の決定を含めた治療方針を手術中に決めるのに役立っています。

4.病理解剖

ご遺族の承諾のもと、病死された患者さんのご遺体を解剖させていただき、生前の診断が正しかったのか、病気の進行ぐあい、治療の効果判定、死因などを調べます。院内カンファレンスの後、主治医を通してご遺族に結果が報告されます。

細菌検査部門

近年さまざまな感染症が話題となる中、原因菌の特定と有効な薬の選択は感染症治療に欠かせないものとなっています。細菌検査室では採取された検体(喀痰・尿・便・血液など)に病気の原因となる微生物がいないかどうか、またどのような抗菌薬が効くのか検査しています。
また感染対策ラウンドへ参加し、院内感染の防止や情報の共有に努めています。

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1.顕微鏡検査

検査材料を染色して顕微鏡で観察します。炎症の有無やどのような形態の菌が認められるか観察することで感染症初期治療における抗菌薬選択の参考になります。

2.培養検査

検査材料を培地に塗布し、肉眼的に細菌が観察できるようにする作業です。目的に応じ培地や環境条件(好気、嫌気、炭酸ガス)を選択し培養します。

3.同定検査・薬剤感受性検査

分離培養で病原菌が検出された場合、同定検査(どのような菌なのか)薬剤感受性検査(どういった抗菌薬が効くのか)を実施します。 測定は自動機器で行いますが、最終的な成績の確認は検査技師が行い結果を報告しています。

4.迅速診断検査

  • 細菌性髄膜炎起因菌抗原検出
  • 大腸菌O157LPS抗原検出

抗原抗体反応を利用した検査です。短時間で結果を得ることができ主治医に検査情報を迅速に報告することが可能です。

5.各種統計資料の作成

  • MRSA検出情報
  • 無菌材料からの検出菌情報
  • インフルエンザ陽性患者数一覧
  • 菌種別薬剤感受性率
  • 週1回の感染情報レポート

生理機能検査部門

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患者さんと直接接する生理機能検査を行う部門で臨床検査技師14名、クラーク2名で担当しています。
実施している検査は、心電図、肺機能、ABI(PWV)、尿素呼気試験、ホルター心電図、加算平均心電図、運動負荷心電図(トレッドミル、マスター)、 TWA、聴力検査、平衡機能検査、超音波検査(心臓、血管、腹部、乳腺、甲状腺、胎児)人間ドック(心電図、肺機能、聴力、腹部エコー、頸動脈エコー)等です。
また、医師とともに、経食道心エコー検査、コントラストエコー検査、造影エコー検査、薬物負荷加算平均心電図も実施しています。

その他、術中モニタリング(脳外科術中ABR、顔面神経モニタリング、心臓外科術中MEP)やエコーガイド下穿刺(肝臓、乳腺、甲状腺など)やPTA、肝癌ラジオ波焼灼療(RFA)などの治療のサポートなどに加わり、チーム医療の一翼を担っています。

症例検討会や勉強会も積極的に行い日々研鑽を積んでいます。

  • 火曜日:心臓、血管エコーカンファレンス
  • 水曜日:検査室内早朝勉強会
  • 木曜日:消化器画像カンファレンス
  • 金曜日:心臓外科術前カンファレンス
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臨床検査部の活動(2012年4月現在)

院内委員会委員

  • TQM会議
  • 臨床試験センター委員
  • 治験審査委員会
  • 感染対策委員会
  • 診療材料委員会
  • 輸血委員会
  • 職員教育研修委員会
  • NST委員会
  • 救急委員会
  • 電子カルテ管理委員会
  • 安全衛生委員会
  • 外来業務改善委員会
  • 個人情報管理委員会
  • 臨床研究審査委員会
  • 将来構想委員会
  • 医療安全対策委員会
  • クリニカルパス委員会
  • 学術委員会
  • 病院機能評価受審対策委員会

院内糖尿病スクール・学生実習など

  • 糖尿病スクール「臨床検査」担当
  • 京都市中学校「生き方探求・チャレンジ体験」担当
  • 京都保健衛生専門学校臨床検査学科 学生臨地実習担当
  • 管理栄養士養成大学等 学生臨地実習一部担当
  • 研修医の指導(心臓、腹部超音波検査等)
  • QC活動

院外活動など

  • 京都府臨床検査技師会 理事(2名)
  • 京都府臨床検査技師会 各研究班運営委員(班長2名、副班長1名、委員9名)
  • 京都保健衛生専門学校臨床検査学科 非常勤講師(2名)
  • 京都桂看護専門学校 非常勤講師(1名)
  • 各種学会・研修会等

各種認定資格取得者数

二級臨床検査士 16名(病理学6、微生物学3、血液学4、循環生理学3、呼吸生理学3)
超音波検査士 6名(循環器4、消化器5、体表臓器2、泌尿器1)
細胞検査士 8名
緊急臨床検査士 10名
血管診療技師 2名
認定血液検査技師 1名
認定輸血検査技師 2名
認定心電検査技師 1名
認定一般検査技師 2名
NST専門臨床検査技師 1名
糖尿病療養指導士 1名
情報処理技術士 1名

技師出身校

  • 大阪大学
  • 山口大学
  • 京都保健衛生専門学校
  • 神戸常盤大学
  • 信州大学
  • 天理医学技術学校
  • 鳥取大学
  • 日本医療学院専門学校
  • 美萩野臨床医学専門学校 
  • 大阪行岡医療専門学校
  • 大阪医療技術学園専門学校
  • 徳島大学
  • 岐阜医療技術短期大学 など

採用情報

当検査科はつぎのような特色があります。

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新人歓迎バーベキュー大会

  1. 各部門指導者によるキャリア形成、スペシャリスト育成支援
  2. 部門間カンファレンスなどの活発な活動
  3. ベッドサイドでの業務
  4. 個々人の能力に合わせた教育プログラム
  5. 関係する臨床科とのコラボレーション
  6. 活発な学会発表
  7. 楽しいレクリエーション

見学を随時受け付けています。