消化器センター・消化器内科

診療科からのお知らせ

診療科の特色


消化器内科は、消化器センター内科部門として、
1、食道や胃、大腸などの病気を診る消化管領域
2、胆道(胆嚢や胆管)と膵臓を専門とする胆膵領域
3、肝臓疾患を扱う肝臓領域
の3領域を担っています。各領域の専門医・指導医を含む16名の医師で多様な消化器疾患に対して安全で質の高い医療を提供し、患者さんに信頼される診療科を目指します。
2022年の延べ外来患者さんは22,733人、1日平均93.6人を、延べ入院患者さんは19,842人、1日平均55.5人であり、検査・治療も18,016件と、近隣地域の中核病院としての重要な役割を担っております。2020年1月には新病棟が完成し、消化器内科病棟の療養環境は向上しました。さらに20231月には内視鏡・超音波センターが新B2階に移動しリニューアルし、精度の高い診断と安全で確実な治療、24時間体制の緊急対応を維持しながら、リラックスして検査や治療を受けて頂ける環境となりました。癌診療については、外科・放射線診断科・放射線治療科・病理診断科と多科横断的な合同カンファレンスを行い、がん診療連携拠点病院として、個々の症例に応じた適切でより質の高いがん診療を行うよう努めています。

消化管領域

消化管癌に対しては、最新の内視鏡機器を用いてがんを早期かつ正確に診断し、内視鏡治療や外科手術、化学療法、放射線療法にて適切な治療を行っています。早期の食道癌や胃癌、大腸癌に対する内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)は導入以来1800例を超える症例に施行し、体への負担を少なく根治性の高い治療を提供しています。また近年増加している炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病)に対しては、免疫調節剤や白血球除去療法、分子標的治療薬などを用いてガイドラインに基づいた治療に取り組んでいます。

胆膵領域

胆道・膵臓疾患に関しては、従来からの内視鏡的逆行性胆管膵管造影法(ERCP)に加え、超音波内視鏡検査による精度の高い診断を行っております。超音波内視鏡下穿刺吸引法(EUS-FNA)も導入後10年以上経過しました。さらにその技術を応用し、超音波内視鏡を用いたドレナージ術など先進的医療も展開しています。

肝臓領域

肝細胞癌に対しては、経皮的ラジオ波焼灼術(RFA)、経カテーテル治療(TACE)などの標準治療を当科で施行することで、適切な治療を、適切なタイミングで行っています。さらに、放射線治療科と協力し、放射線治療(SBRT)を組み合わせることにより、体への負担を少なく効果の高い治療を目指しています。また、肝癌以外でも、肝炎ウイルス、自己免疫疾患、脂肪肝などに対し、質の高い腹部超音波検査を中心に積極的に取り組んでいます。


消化器がん

がん診療連携拠点病院として外科や腫瘍内科、放射線科と協力し、適切な集学的治療を行っています。がん化学療法に関しては、免疫チェックポイント阻害薬や新規分子標的薬も含め日々進歩する治療を積極的に行っており、腫瘍内科を中心に当科も協力して、癌ゲノム医療への対応も進めています。また、緩和ケア科と連携し、がんやその治療に伴うお体のつらさをできるだけ和らげることにも努めています。

内視鏡・超音波センターがリニューアルしました


20231月に新B棟が完成し、内視鏡・超音波センターは新B2階に移動し新しくなりました。内視鏡超音波センターは胃カメラや大腸カメラを行う消化管内視鏡部門と、エコー検査をおこなう腹部超音波部門、膵臓や胆嚢・胆管の検査を行う胆膵内視鏡部門に分かれています。それぞれの部門で消化器内科の指導医・専門医と専攻医が日々消化器疾患の検査と治療を行っています。

楽にリラックスして検査や治療を受けていただくために開放感のある明るい内視鏡・超音波センターになりました

内視鏡や超音波を用いた検査や治療は身体的・精神的なストレスがかかることがあります。患者さんに少しでもリラックスして頂けるよう、新しい内視鏡・超音波センターは、フロア面積が約1.4倍に増え、天井も高く、窓も多くなり、広々とした開放感のある明るいスペースになりました。

多くの方に内視鏡検査を楽に受けていただけるようになりました

内視鏡検査は癌の早期発見のためにとても大切な検査ですが、不安や苦痛を強く感じる方が少なくありません。鎮静剤を注射すると苦痛や不安を軽くして楽に検査を受けていただけますが、検査後もウトウトと眠った状態になるため、しばらくの間ベッドで休んでもらうことが必要です。新しい内視鏡・超音波センターでは回復室のベッドを6台に倍増し、多くの方に鎮静剤を用いた楽な検査を受けて頂くことが可能となりました。また、患者さんの心拍や血圧、呼吸の状態はナースステーションでリアルタイムに監視することができますので、より安全な検査が可能となりました。

大腸内視鏡検査の準備するスペースも改善しました

大腸内視鏡検査は、下剤を飲んで大腸の中をきれいに洗腸する必要があります。午前中にご自宅で洗腸して頂くことも可能ですが、なかには自宅で洗腸するのが不安な方もおられます。そのような方は、朝から来院して頂き、内視鏡・超音波センター内で下剤を飲用して洗腸することが可能です。以前は共用のトイレでしたが、新しいセンターでは、トイレをそれぞれの患者さん専用として感染対策とプライバシーに配慮しています。トイレの面積も約1.5倍となり、ロッカーも設置し、できるだけリラックスして検査の準備をして頂けるようになりました。

精度の高い診断と安全で確実な治療を行うために

内視鏡・超音波センターでは、検査だけではなく、早期胃がんや大腸がん、肝臓がん、胆石の治療も行なっています。さらに、24時間体制で消化管出血に対する緊急止血術や急性膵炎・胆管炎、閉塞性黄疸等の緊急処置に対応しています。内視鏡治療室は広いスペースを確保し、最新の内視鏡機器を導入して安全で確実な治療を行なっています。胆膵内視鏡室では大型のモニターを導入し、内視鏡画像とレントゲン画像、CTMRI画像をひとつのモニターで確認しながら適切な治療を可能としました。さらに患者さんの血圧や心電図、血液酸素濃度も同じ画面で確認できますので安全性が向上しました。肝治療室では最新の超音波診断装置を用いてCTMRI画像を対比しながら、確実で安全な肝腫瘍の治療を行なっています。

このように新しい内視鏡・超音波センターでは、これまで通りの精度の高い診断と安全で確実な治療を維持しながら、これまで以上に楽にリラックスして検査や治療を受けて頂けます。

対象疾患

  • 消化管領域
    逆流性食道炎、食道癌、食道胃静脈瘤、急性胃炎、慢性胃炎、胃十二指腸潰瘍、ヘリコバクターピロリ菌感染症、胃癌、胃リンパ腫、小腸腫瘍、小腸出血、大腸癌、潰瘍性大腸炎、クローン病、憩室炎、憩室出血

  • 胆膵領域
    胆道結石、胆嚢ポリープ、胆管炎、胆道癌、急性・慢性膵炎(膵石症)、自己免疫性膵炎、膵嚢胞、膵臓癌

  • 肝臓領域
    ウイルス性肝炎、肝硬変、肝臓癌、肝膿瘍、脂肪性肝疾患、自己免疫性肝炎、原発性胆汁性胆管炎

消化器内科受診をお考えの皆様へ

1、外来診療は「かかりつけ連携医」の先生からの紹介状をお持ちの方や、再診予約のある方を優先します
京都桂病院の消化器内科は、入院や処置が必要な患者さん、他院で対応困難な検査や治療が必要な患者さんに専門的な医療を提供する役割を担っています。そのため外来診療は、「かかりつけ連携医」の先生からの紹介状をお持ちの方、再診予約のある方を優先しています。もちろん紹介状をお持ちではない方や予約外の患者さんの診察も可能ですが、待ち時間が長くなることもありますのでご了承ください。

2、「かかりつけ連携医」の先生からの紹介で受診予約や検査予約が可能です
京都桂病院の消化器内科では「かかりつけ連携医」の先生からの紹介で受診予約を受け付けております。病状や疾患に応じて消化管領域、胆膵領域、肝臓領域の専門外来を、短い待ち時間で外来受診が可能です。また、胃カメラや大腸カメラ、腹部エコー検査も「かかりつけ連携医」からの予約が可能であり、消化器内科外来での診察なしに直接検査が可能となっております.診察や検査をご希望の方はかかりつけ医の先生にご相談ください。

3、「かかりつけ連携医」を持ちましょう
患者さんが「かかりつけ連携医」をお持ちになることは、当院の医師とは違う視点で病気の管理ができ、日常の健康相談や慢性疾患の継続治療に大きなメリットがあります。さらに、かかりつけ連携医の先生方と私たち消化器内科医が連携することで、患者さんに質の高い医療を提供することが可能となります。

連携医の先生方へ

消化器診療に重要な腹部超音波検査・上下部内視鏡検査は、従来通りオープン検査として、地域医療連携室を介して随時受け付けております。 2019年7月からはオープン検査でも鎮静下の内視鏡検査に対応し、苦痛の少ない楽な内視鏡検査を行っております。さらに先生方の日常診療に少しでも貢献すべく、当日オープン検査(腹部超音波検査と上部消化管内視鏡検査)も開始しました。お気軽に地域医療連携室にご相談ください。

 また、連携医の先生方も参加可能なキャンサーボード(多科合同カンファレンス)を毎週木曜日に開催しておりますので、参加ご希望の方は、地域医療連携室にご相談ください。


2022年診療実績

年間延外来患者数 22,733人
1日平均外来患者数 93.6人
年間延入院患者数 19,842人
1日平均入院患者数 55.8人
平均在院日数 10.8日
上部消化管内視鏡検査(治療を含む) 8,238件
 内視鏡的粘膜切除術(EMR) 19件
 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) 106件
 食道静脈瘤治療(EVL/EIS) 20件
 内視鏡的止血術 115件
 内視鏡的胃瘻増設術 15件
 消化管ステント留置術 7件
下部消化管内視鏡検査(治療を含む) 3,290件
 外来コールドポリペクトミー 453件
 内視鏡的粘膜切除術(EMR) 317件
 内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD) 30件
 内視鏡的止血術 79件
 消化管ステント留置術 10件
小腸内視鏡検査 45件
 バルーン内視鏡検査 16件
 カプセル内視鏡検査 29件
膵胆道系内視鏡検査(治療を含む、重複あり) 338件
 内視鏡的乳頭切開術(EST) 111件
 結石除去術 97件
 胆道ドレナージ術 232件
超音波内視鏡検査(EUS) 375件
 上部消化管 54件
 下部消化管 16件
 胆のう膵臓 227件
 EUS下穿刺吸引法(EUS-FNA) 66件
 EUS下胆道ドレナージ(EUS-BD) 12件
腹部超音波検査(治療を含む) 5,676件
 肝腫瘍ラジオ波焼灼療法(RFA) 22件
 肝生検 16件
 肝腫瘍生検 16件
腹部血管造影検査(治療を含む) 54件
 肝動脈化学塞栓療法(TACE) 41件
 腫瘍出血・消化管出血止血術 7件

教育認定・学会等認定施設

  • 日本消化器病学会 認定指導施設

  • 日本消化器内視鏡学会 認定指導施設

  • 日本肝臓学会 認定施設

  • 日本胆道学会 認定指導施設

  • 日本膵臓学会 認定指導施設

  • 日本消化管学会 胃腸科指導施設

  • 日本超音波医学会 認定研修施設

  • 藤井 茂彦 部長
    担当・専門分野 内視鏡診断・治療

    消化管疾患

    資格など 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

    日本内科学会内科指導医

    日本消化器病学会専門医・指導医・学会評議員

    日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員

    日本食道学会食道科認定医



  • 畦地 英全 副部長
    担当・専門分野 肝臓病治療

    消化器内科全般
    資格など 日本内科学会認定内科医

    日本内科学会内科指導医

    日本消化器病学会専門医・指導医

    日本肝臓学会肝臓専門医・指導医

    日本臨床栄養代謝学会認定医
  • 中井 喜貴 副部長
    担当・専門分野 内視鏡診断・治療

    胆膵疾患
    資格など 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

    日本内科学会内科指導医

    日本消化器病学会専門医・指導医・支部評議員

    日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員

    日本消化器がん検診学会総合認定医

    日本胆道学会認定指導医・評議員

    日本膵臓学会認定指導医
  • 池田 敦之 副部長
    担当・専門分野 肝臓病治療

    消化器内科全般
    資格など 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

    日本内科学会内科指導医

    日本消化器病学会専門医・指導医・支部評議員

    日本消化器内視鏡学会専門医

    日本肝臓学会肝臓専門医・指導医・支部評議員

    日本超音波医学会認定超音波専門医・指導医

  • 田中 泰敬 副部長
    担当・専門分野 内視鏡診断・治療

    消化管疾患

    資格など 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

    日本内科学会内科指導医

    日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・支部評議員

    日本消化管学会胃腸科専門医・指導医・代議員
  • 荒木 理 医長
    担当・専門分野 内視鏡診断・治療

    胆膵疾患
    資格など 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

    日本内科学会内科指導医

    日本消化器病学会専門医

    日本消化器内視鏡学会専門医
  • 岡田 圭次郎 医長
    担当・専門分野 消化器内科全般
    資格など 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医

    日本消化器病学会専門医

    日本消化器内視鏡学会専門医

    日本肝臓学会肝臓専門医
  • 青木 謙太郎 副医長
    担当・専門分野 消化器内科全般
    資格など 日本内科学会認定内科医

    日本消化器病学会専門医

    日本消化器内視鏡学会専門医
  • 豊田 文興 副医長
    担当・専門分野 消化器内科全般
    資格など 日本内科学会内科専門医
  • 德林 佑美 医員
    担当・専門分野 消化器内科全般
    資格など 日本内科学会内科専門医

    日本消化器病学会専門医
  • 横田 瞭 医員
    担当・専門分野 消化器内科全般
    資格など 日本内科学会内科専門医

    日本消化器内視鏡学会専門医
  • 八城 誠 専攻医
    担当・専門分野 内科新専門医研修中
  • 黄 宣輔 専攻医
    担当・専門分野 内科新専門医研修中
  • 渡辺 俊介 専攻医
    担当・専門分野 内科新専門医研修中
  • 桐山 宜生 専攻医
    担当・専門分野 内科新専門医研修中
  • 松本 峻和 専攻医
    担当・専門分野 内科新専門医研修中
  • 前田 智美 専攻医
    担当・専門分野 内科新専門医研修中
  • 國立 裕之 顧問
    担当・専門分野 肝臓病治療

    消化器内科全般

外来担当医表

1診 午前 荒木 中井 田中 藤井 岡田
午後 荒木
(胆・膵)
中井
(胆・膵)
田中
(消化管)
藤井
(消化管)
岡田
2診 午前 畦地
(肝臓)
豊田 國立
(肝臓)
池田 青木
午後 畦地
(肝臓)
豊田 國立
(肝臓)
池田
(肝臓)
青木
3診 午前 徳林 渡辺 八城 横田
午後 徳林 渡辺 八城 横田
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