特徴

当院稼働病床537床のうち、呼吸器センター(呼吸器内科、呼吸器外科)として約90床、うち、呼吸器外科として35床を受け持っている(2013年4月より)。
当センターは、地域における呼吸器疾患の基幹的施設であり多くの症例を有する。呼吸器外科のスタッフは、外科的疾患のみならず、当院が地域がん診療連携拠点病院であることを踏まえて、とくに肺がんの診療に力を入れており、手術は勿論のこと、化学療法、放射線治療、BAI、緩和治療等による集学的治療を積極的に推進している。
通常の肺がん手術は完全鏡視下手術で行っている。また、EBUS(超音波気管支鏡)を導入し、診断精度の向上に努めている。
後期臨床研修には、指導医によるきめ細かいマンツーマン体制を基本としている。

実績

2012年の年間手術件数

2012年の年間手術件数は、204例で、主な内訳は下記の通りです。

肺がん 100例
嚢胞性疾患(自然気胸、ブラなど) 39例
炎症性疾患(膿胸、肺化膿症など) 2例
縦隔腫瘍 12例
肺良性腫瘍 7例
転移性肺腫瘍 10例
その他

23例

2012年の主な疾患別の入院患者数(重複を含む)

2012年の主な疾患別の入院患者数(重複を含む)は、下記の通りです。

肺がん 458例
肺炎 12例
COPD 4例
気胸 7例
間質性肺炎 8例
慢性呼吸不全悪化 4例
肺結核 1例
気管支炎喘息重責発作  0例
 胸膜炎  1例
 のう胞性疾患  85例
 縦隔腫瘍

 21例

 肺炎・膿胸等 感染症疾患  27例
 気道出血  0例
 間質性肺炎  8例
 その他  29例

その他、稀少疾患を含めて多数、多彩な症例を診療している。

関連学会の施設認定

  • 日本呼吸器外科学会専門医制度認定施設
  • 日本胸部外科学会認定医認定制度指定施設
  • 日本呼吸器学会認定医制度認定施設
  • 日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医認定施設

到達目標

一般目標

呼吸器(上気道、気管、気管支、肺、胸膜、縦隔、胸壁、横隔膜)疾患全般の病態、診断ならびに治療に関する基本的知識と技術を習得すること。併せて手術適応、手術手技について習得すること

具体的目標

a.基本的診療法

  1. 入院・外来患者の病歴・現症
    職業歴、既往歴、家族歴などの患者の過去・現在の生活環境、喫煙歴などを正確に把握
  2. 理学的所見
    理学的所見(聴打診・視触診など)の正確な把握と診断のための思考法

b.基本的検査法

  1. 画像診断:胸部X線写真、X線透視、胸部CT、胸部MRI、PET
  2. 血液、血清検査:各種検査成績の分析と診断
  3. ツベルクリン反応
  4. 喀痰検査:一般細菌、細胞診、真菌、抗酸菌検査(塗抹、培養、PCR)
  5. 動脈血ガス分析
  6. 呼吸機能検査:スパイロメーター
  7. 気管支鏡検査:正常所見の理解と各種異常所見の把握、診断手技(擦過細胞診、気管支内洗浄、気管支肺胞洗浄、経気管支肺生検など)
  8. 胸腔穿刺・胸水採取
  9. 経皮的針生検、CTガイド下針生検
  10. 胸部血管造影検査(肺血管造影、大動脈・気管支動脈造影)
  11. RI検査(肺血流、肺換気、骨、ガリウムなど)

c.各種呼吸疾患に対する治療法

  1. 肺がん患者に対する治療方針の決定
    手術適応、化学療法の適応と使用方法、放射線治療の適応。
    気管支動脈内抗癌剤注入療法(BAI)など集学的治療。
  2. 呼吸器感染症患者に対する抗生物質の適切な投与
  3. 気管支喘息患者の治療・管理
  4. 慢性閉塞性肺疾患(COPD)に対する治療・管理
  5. 慢性呼吸不全患者の管理、治療(酸素療法、在宅酸素療法、NIPPV、気管切開下の呼吸管理)
  6. 慢性呼吸不全・COPD急性増悪に対する呼吸管理(NIPPV、気管内挿管)
  7. 胸膜炎、膿胸(非結核性)患者の治療
  8. その他、比較的まれな呼吸器疾患
  9. 末期治療:主として末期肺癌患者に対する疼痛対策、苦痛対策、心理的ケア

d.呼吸器科的各種手技

  1. 胸腔ドレナージ、胸膜癒着術
  2. 気管支鏡検査・気管支鏡下吸痰
  3. 気道内処置としての気管支鏡(LASER 照射、気道内異物除去など)
  4. 気道狭窄に対する気道内ステント留置術
  5. 心肺蘇生術(気管内挿管、カウンターショック、心臓マッサージなど)
  6. 呼吸理学療法

e.呼吸器外科的各種手技

  1. 術前・術中・術後管理の習得
    • 気管内挿管
    • 全身麻酔、脊椎麻酔
    • レスピレーターによる機械呼吸の管理
    • 呼吸・循環管理
    • 一般輸液、高カロリー輸液
    • 気管支鏡下吸痰
    • 呼吸理学療法
  2. 基本的手術手技の習得
    • 鎖骨上窩リンパ節・頚部リンパ節生検
    • 気管切開
    • 縦隔鏡検査
    • 呼吸・循環管理
    • 開胸肺生検・胸膜生検
    • 自然気胸に対する胸腔鏡下手術
    • 基本的開胸・閉胸操作(後側方切開、前方腋窩切開、腋窩切開、胸骨正中切開)
  3. 呼吸器外科手術における術者あるいは助手としての経験
    肺切除術(肺部分切除術、肺葉切除術、肺区域切除術、肺全摘術、気管・気管支形成術、
    ブラ切除術、肺縫縮術など)、リンパ節郭清術、縦隔腫瘍摘出術、胸郭成形術、
    胸壁腫瘍摘出術、漏斗胸手術、膿胸手術、肺剥皮術、胸腔鏡下手術など

f.学会(研究会)発表、論文発表を積極的に行う

カリキュラム

  1. 3年間の専攻医期間中に、外科専門医ならびに呼吸器外科専門医認定基準に従い、専門医認定資格を満たす手術症例数を経験することを目標とする。
  2. 呼吸器外科専門医、日本呼吸器内視鏡学会気管支鏡専門医の取得を目指す。
  3. 週間スケジュール
午前・午後 手術
症例カンファレンス
午前 気管支鏡検査
薬品説明会:学会発表予演会
午前・午後 手術
午前 気管支鏡検査
午後 回診
症例(手術)カンファレンス
午前・午後 手術