
喫煙が肺がんをはじめとする多くのがん、呼吸器・循環器疾患、脳血管障害、胎児の成長障害などさまざまな健康障害の要因になっていることはいうまでもありません。なかでも問題となるのは「受動喫煙」なのです。タバコの煙には直接吸い込まれる「主流煙」と点火部分から散布される「副流煙」があり、発がん性物質など化学物質の量は「副流煙」により多く含まれます。このような有害物質を知らずに吸わされるということが「受動喫煙」なのです。
病院は単に病気を治すだけでなく患者さんやその家族、来院者さらには地域住民の皆様の健康を守るという社会的使命があります。当院は5年前に健康増進法が施行された際に喫煙コーナーを限定し、分煙による「受動喫煙」の防止に努めてまいりました。がん診療連携拠点病院に指定され、いっそう禁煙に取り組む必要があると考え、
4月1日から「敷地内全面禁煙」に踏み切りました。この機会に一人でも多くの方が禁煙できればと念願いたしておりますので、ご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
日本学術会議が「脱タバコ社会の実現に向けて」という要望書を政府に提出しました。7つの提言が述べられ、そのなかの「タバコ税を大幅に引き上げ、税収を確保したまま、タバコ消費量の減少をはかる」という提言がありました。日本のタバコの税負担は1箱につき189円で欧米の1/2から1/5程度です。タバコ税の増税は税収を確保したまま喫煙量や喫煙者数を減らす効果が期待できます。例えばタバコ税を2倍にすると税収は2.3兆円からさらに1.2兆円増加し、タバコの消費量は現在の2,700億本から1/4減少し、喫煙者は3,600万人から200万人以上減少すると試算されています。
呼吸器センターとしても禁煙サポートのため禁煙外来を開く必要があると考えておりますが、現時点では呼吸器専門外来として通常の外来診療を優先する必要があり体制が整うまでしばらくご理解のほどよろしくお願いいたします。