桂 ER 救急医療最前線 ブログ

黒色の吐血は消化管以外も鑑別を

【投稿日】2016年12月12日(月)

既に紅葉シーズンを終えてしまいましたが、

今年、紅葉の見どころで最後にご紹介するのは

嵯峨にあります二尊院です。

 

小倉山の代表的な寺院で、ここも紅葉が見事です。

庭園であります御園亭も見事な紅葉のバランスです。

あんこの小倉あん発祥の地でもあるそうです。

是非秋の京都に来年は皆様も来て下さい。

出来るだけ平日に時間を空けられる方は平日を超お薦めします。

 

12月7日は90歳台男性の腹痛、黒色吐血。

バイタルサインで38度台の発熱、

そしてSpO2低下もあり、間違いなく誤嚥している模様。

 

ここで重要なのは「黒色」吐血というキーワード。

黒色という事は血液が胃液に晒されて

酸化する時間があったということで、

特に液状の黒色吐血であれば、

比較的緩いスピードの出血であることが多いです。

当然黒色でも凝血塊や粘稠な性状であれば、

緊急度は当然アップします。

液状の黒色吐血であれば、

消化管出血のみのアプローチをしてはいけません。

良くあるのは、

腎盂腎炎や胆管炎のように

嘔吐を伴うような敗血症になり得る感染性疾患であったり、

頭蓋内疾患によるCushing潰瘍であったり、と

急性のストレスに対する反応による

急性びらん・潰瘍であることも念頭に置く必要があります。

当然、単なる嘔吐を来す疾患で繰り返し嘔吐を来すことで、

マロリーワイス症候群に至っての吐血も十分にあり得る訳です。

ですので液状の黒色吐血の場合は、

必ず嘔吐を来す鑑別疾患をベースに考える必要があります。

 

高齢者や嚥下機能低下している人は、

二次性に誤嚥性肺炎を来すことを忘れてはなりません。

ただし、誤嚥性肺炎の場合でも、

主な診療科は嘔吐を来す疾患の担当科が原則です。

当然かなり呼吸状態が悪化して、

気管挿管レベルであれば呼吸器内科や集中治療科が

人工呼吸器管理を行う事にはなりますが、

酸素投与のみではあくまで主科です。

 

今回の場合は、

巨大食道裂孔ヘルニアに胃前庭部が嵌り込み、

内視鏡的に整復を要する珍しい症例でした。

CTで形状がおかしいことから気付かれました。

 

今回は一応消化管疾患ではありましたが、

普段から上記の考え方をちゃんと持っておかないと

結構痛い目に合います。

 

吐血でも性状によって緊急度や

鑑別の広がり方が変わることを

皆さん知っておいて下さいね♪

アクセスマップ
京都桂病院

〒615-8256 京都市西京区山田平尾町17番

電話番号:075-391-5811(代表)

アクセス お問い合わせ