消化器内科

大腸ポリープってどんな病気なの?

2020/06/01

大腸ポリープってどんな病気なの?

1大腸ポリープって何?

 大腸ポリープとは大腸の粘膜から突出し、丸く出っ張っている病変を指します。大腸ポリープは大きく分けると①過形成性ポリープ、②大腸腺腫、③大腸癌の3種類に分類されます。

 

2大腸ポリープは切り取る必要があるの?

 ①の過形成性ポリープは腫瘍ではありません。“ペンだこ”のようなものとイメージしてください。基本的に切除する必要はありません。②の大腸腺腫は良性腫瘍ですが、大きくなると癌に変化する危険があります。大腸カメラで切除することで大腸癌を予防することができます。③の大腸癌は悪性腫瘍ですのでもちろん治療が必要です。大腸癌であっても初期の浅い病変であれば大腸カメラで切除が可能です。しかし粘膜の下に根を下ろしてしまった大腸癌は大腸カメラで完全に治すことができないため、外科手術で大腸の一部を切り取ることが必要になります。

 

3大腸ポリープはどうやって大腸カメラで切除するの?

 大腸カメラで大腸腺腫や大腸癌を治療する方法は、1ポリペクトミー、2内視鏡的粘膜切除術(EMR)、3内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)があります。

 1のポリペクトミーは病変の根元に金属性の輪っかをかけて、それをしぼりながら切り落とします。1cm以下の大腸腺腫や茎のある病変はこの方法で切り取ります。小さい病変なら日帰りで治療が可能です。2のEMRは病変の下に生理食塩水を注入して、病変を持ち上げてから、金属性の輪っかをかけて切り取ります。主に1cmから2.5cmぐらいの大きさの平べったい病変はこの方法で切除します。通常一泊入院が必要となります。3のESDは病変の下にヒアルロン酸という粘り気のある薬液を注入し、病変を持ち上げてから、専用の電気メスで病変のまわりを切った後、病変の下を剥がしながら切除します。大きな病変でもこの方法で切除ができますが、約一週間の入院が必要となります。

 

4大腸カメラを受けましょう!

 このように大腸ポリープは腺腫(良性腫瘍)や初期の癌(初期の悪性腫瘍)であれば、体に負担をかけず短期間に大腸カメラで治療することが可能となります。そのためには早期に発見することがとても大切ですので、毎年の大腸癌検診を受けるだけでなく、是非数年に1回は大腸カメラを受けてください。

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