重症病態における急性期栄養療法とRFS予防
第8波で京都の救急医療は大変なことになっています。
救急要請しても直ぐに来なくなっていますし、
病院選定も全く決まりません。
その中で特に行動制限のない年末年始。
各医療関連機関は対策を練っているものの、
波が大きくなるたびに各医療機関のみではどうしようもない、
医師会や救急隊も協力してもどうしようもない、
大きな波になっています。
自分の身は自分で守るつもりで皆さん年末年始を過ごして下さい。
飲酒関連の救急搬送は、現場の労力、意欲を大幅に削ぎます。
さて、Tが桂病院に着任して毎年恒例の
12月のNST学習会。今年で8回目となります。
この学習会のおかげでTも常に知識のアップデートをする
モチベーションを維持出来ております。
何より今年は新棟が完成するため、
より気合が入りますね。
最新のガイドライン関連のアップデートの参考に、
ご興味のある方は
アメリカ静脈経腸栄養学会ASPENガイドライン2022や、
その都度アップデートして最新の内容でアツい、
カナダの重症ケア栄養ガイドラインを
参考にされて下さい。
今回の講義の内容の目立ったところで言いますと、
重症病態の栄養療法は、
これからタンパク質と筋肉のコンビネーションが
長期予後の改善、PICS・ICUAWの軽減に寄与することが期待されています。
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そして、最近の桂ERxCCMでも良く経験する
神経食思不振症などのRefeeding Syndrome(RFS)の
ハイリスク症例の発症予防、治療について。
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Refeeding Syndrome(RFS)を予防するための
プロトコルについてアップしておきます。
1.高リスク患者であることを予測する(上記スライド参照)。
2.栄養開始前に血清P、K、Mgを含めた電解質を測定し、低値の場合は補充する。
3.栄養開始前にビタミンB1を200~300mg/日(静注1回あるいは経口で1日3回に分けて)を投与する。
4.緩徐に少量から栄養、水分を開始する。重度の場合は10kcal/kg未満より開始する。
5.Refeedingのリスクに合わせて、1日1~3回の電解質測定を行う。必要時、電解質の補充を行う。血清P値は2.0mg/dl(0.65mmol/L)以上を維持するように補充する。
6.栄養失調患者は最初の3~5日間毎日ビタミン(特にビタミンB1)と微量元素を投与する。
7.循環動態が不安定で無ければ、神経食思不振のような重度の栄養失調患者は心筋症を来しているかもしれないため、初回の輸液量を1L/日以下に留める。
8.注意深く2,3日毎に200~300kcal/日を増量していく。増量する時に必ず電解質測定を行い、必要時補充する。
9.Refeeding予防のために栄養治療計画を立てる。
主な参考文献:PMID3174275、英国NICEガイドライン
![](/user/news/863/r1h4l7xw7hgxtoaxiih90zzx2ik47no9.jpg)
自前のハイブリッド形式だったので、準備は本当に大変だったと思います。
準備してくれた栄養科の皆様に感謝感謝です!
重症病態の栄養療法は、自分にとってかなり興味深い大好きな領域の一つです。
新棟が稼動したら一層攻めの急性期栄養療法を展開してきます!
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