脊椎脊髄外科

診療科からのお知らせ

地域医療機関の先生方へ

2024年1月より常勤医1名による準備期間を設け、新年度初め4月からは常勤医4名体制にて、京都桂病院で『脊椎脊髄外科』を開設いたします。どうぞよろしくお願いいたします。当科は脳神経外科を母体とするNeuro-spineの専門チームです。京都府市西部地域、とくに当院の近隣地域では脊椎脊髄疾患の外科的治療を含む専門診療を行う施設は少ないのが現状です。これまでは医療圏外、または他府県への紹介も多く、地域の先生方、患者様には大変ご迷惑をおかけしてまいりました。これからは、当科がしっかりと脊椎脊髄疾患患者様の受け皿となり地域医療へ貢献してまいりたいと思います。

脊椎の加齢変性は早ければ10歳代から始まり、MRIによる検索では50歳までには約8~9割で椎間板変性が認められます(1)。脊椎変性疾患、変形性脊椎症は、男性に多いものの性別を問わず、40~60歳代に初発のピークを迎え、80歳を超えても発症の機会があります。本邦では、第二次ベビーブームの人口マスが50歳に突入し、ここ20~30数年は日常診療において増々遭遇する機会が多くなります。そのように激増する脊椎変性疾患のみならず骨粗鬆症を含めた脊椎疾患患者様の内科的治療やフォローアップを、地域の先生方とともに当院がしっかりと対応していきたいと考えております。そして外科的介入を要する患者様に対しては、適切な時期に除圧術、固定術、矯正術、経皮的椎体形成術など、また最近では低侵襲治療である脊椎内視鏡手術を、積極的に行ってまいります。

さて、我々の診療の基本姿勢ですが、それは『For the Patient』の一言に尽きます。脊椎脊髄外科が対象とする症状の主たるものは「痛み」や「しびれ」となります。国際疼痛学会によると「痛み」の定義は『感覚かつ情動の不快な体験』となっております。定義に挙げられている、どの言葉をとっても曖昧でとらえどころのない非科学的な印象があります。患者様の「体験」が重きをなすこの分野は、その治療対象が曖昧であるが故に、診療方針の決定には一例一例を真摯に診療し、粘り強く、患者様からいただいた治療成績データをもとに客観的なエビデンスに基づく治療をなすことが重要です。医療サイドからの視点ばかりではなく、患者様の立ち位置や社会背景をできるだけ見つめて、患者様と御家族が満足のいく治療結果へと導いてゆく・・。特に脊椎脊髄外科は基本的に機能外科でありますので、我々医療サイドが自己満足に陥るのではなく、真に患者様がご満足いただけるように、手術治療のみならず、その他さまざまな治療を取り入れていきたいと考えております。

地域の先生方におかれましては、脊椎脊髄疾患の患者様につき是非当院へ御紹介のほど何卒よろしくお願いいたします。京都の西部地域の皆様が「寝たきり」を予防して、健やかなる人生を送っていただけるよう尽力する所存です。どうぞよろしくお願いいたします。簡単ではありますが、脊椎脊髄外科開設の御挨拶とさせていただきます。

  • 高山 柄哲 部長
    担当・専門分野 脊椎脊髄分野
  • 五百藏 義彦 副部長
    担当・専門分野 脊椎脊髄分野
    資格など 日本脳神経外科学会専門医

    日本脳神経血管内治療専門医

    日本神経内視鏡学会技術認定医

    日本脊髄外科学会認定医

    脊椎脊髄外科専門医

    脊髄内視鏡下手術技術認定医

    日本骨粗鬆症学会認定医
  • 小林 環 副部長
    担当・専門分野 脊椎脊髄分野
  • 川崎 敏生 副部長
    担当・専門分野 脊椎脊髄分野

外来担当医表

1診 午前 五百 川崎 小林 高山
午後 五百 川崎 小林 高山

休診・代診情報

  • 休診代診情報はありません。
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