桂 ER 救急医療最前線 ブログ

脱水と上部消化管出血

【投稿日】2017年1月10日(火)

フォードがメキシコに建設予定であった自動車工場を

米国に変更することになったり、

トヨタはメキシコに建設予定は変えずとも1兆円規模の

米国への投資の声明を出したり、

日本は名指しで米国のお金を吸い取っていると批判されて

菅官房長官がそれに対しての発言をしたり、

台湾総統と会ってみて中国を刺激したり、

既に就任前からトランプの言動で各国や米国のグローバル企業が

振り回され始めています。

一時的には国内での支持は得られるでしょうが、

世界からは「強い」米国の評判は落ち、

露中が台頭し、混沌とした世界情勢になる可能性が高くなるのでは、

と残念な気持ちが否めないTです。

新年一発目の観光地投稿なので、

ベタの金閣寺を出しておきます。

やはり小学校の修学旅行の頃に感動して、

今でも時々行くと、ベタだけどいいな、と思います。

ただし、人混みが無い時に行けば、です。

結構敷地内が広いので、金閣だけでなく、

庭園、池も十分に楽しめますね。

近くには龍安寺、仁和寺もあり、

大学時代はちょこちょこ観光していました。

近くなるとベタ過ぎてあまり行く気は起きなくなりましたけどね。

 

1月4日の早朝学習会。

80台男性。繰り返す嘔吐を主訴に救急搬送。

吐物に血性成分は無く、直腸診でも普通便のみ。

頭蓋内疾患、めまい、イレウス、

虚血性疾患、電解質・代謝内分泌異常等々

調べてみるも目立ったものなし。

ただ、血清尿素窒素(BUN)が上昇し、

3年前の血液検査よりもやや貧血が進行しているが、

ヘモグロビン13⇒10g/dlと何とも言えず。

 

胃腸炎からの脱水疑いで、制吐剤にて症状軽快し

同日は帰宅となりました。

翌日また腹痛+嘔吐を認め、再度救急搬送。

やはり嘔吐は胃液様。

だけど、BUNは更に上昇し、

ヘモグロビンも7.6g/dlまで更に低下。

さすがに、上部消化管出血が怪しいということになり、

緊急内視鏡して、出血性十二指腸潰瘍ということが判明。

止血して、消化器内科入院となりました。

 

なかなか経過としては疑いにくい病態でした。

今回のポイントとして、

急激にBUNが上昇する病態は、

Commonなものとして、

脱水、蛋白過剰投与、

上部消化管出血(血液が腸管吸収され、蛋白負荷になるため)、

何かしらの腎不全

があります。

嘔吐等による脱水と上部消化管出血の鑑別として、

貧血の進行の程度は重要です。

単なる脱水なら血液は濃縮するので、

著変が無いか、むしろヘモグロビン、ヘマトクリットは

上昇するはずだからです。

 

今回、上部消化管出血のリスク評価で、

Glasgow-Blatchford scoreを活用できるか

質問がありましたが、

あくまで上部消化管出血のエピソードが分かっていて、

緊急の治療がひつようかどうかのスコアリングであって、

出血のエピソードが定かではない時は、

コンサルとするための材料としては弱いです。

 

今回は前回血液検査からの間隔が長く、

モヤッとしていたと思いますので、

翌日に経過フォローの外来を促しておけば、

療養指導としては良いでしょう。

 

そして、十二指腸潰瘍は曲者で、

嘔吐を来さず、緩徐な出血だと、

便として到達するまでに時間がかかり

血便、黒色便が出ないことがあります。

 

嘔吐の原因が分からず、

最近胃カメラした既往が無ければ、

十二指腸潰瘍は鑑別に挙げて、

一回胃カメラを薦める必要があります。

 

まぁ、それでも嘔吐を主訴の救急搬送は

本当に多く、急性胃腸炎の頻度が高いため、

自然軽快する人が多いです。

ですが、下痢症状に乏しく、

嘔吐ばかりであれば、慎重にフォローを

することを本人だけでなく、家族にも勧めましょう。

点で分からないことは線にすることを

意識して対応することも大事なスキルです♪

 

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